その表具を、百年後に残す。【額】

和額は掛け軸などと違い、一度飾るとそのまま長い年月飾られたままになる事が多い表具です。特に古い額は本紙を保護するアクリル板が入っていない事が多く、油煙や煙草のヤニ、虫の糞、湿気や光などに晒されたままになっており気付いた時には損傷は甚大なものになっている事もあります。

また、長期間の温度・湿度の変化や日光へ晒されることにより、本紙の亀裂や軽く払っただけで剥がれてしまう位の墨の劣化など、非常にデリケートな状態になってしまう事もあります。

ですので、修復をご希望の際は現時点での汚れは気にせず、どうぞそのままお持ち込み下さい。

額は、表装時の裏打ちの糊が強いものが多く、また裏打ちの紙自体も良いものを使われていない事も多いので、剥がすのが非常に大変な表具です。
修復依頼は熟練の技術を持つ専門店に頼まれる事をお勧めします。

【準備中】公開までしばらくお待ちください

【1.確認】作品の状態を確認します

お預かりした作品の状態を慎重に確認し、現在の状態を把握します。

【2.解体】縁を外し、修理します

作品を額から外します。状態が非常に脆くなっている場合もあるので、慎重に取り扱います。
また、作品とは別に額の修理、縁の塗り替えなども行います。

【3.洗浄】状態によって、洗浄を行います

作品は、その状態を見て洗浄を行います。

【4.額】額を装飾します

額に、作品に合った布、及び金・銀紙などを貼り装飾を施します。

【5.仕上げ】縁を取り付けます

塗り替えた縁をつけて完成です。